V2号は、ナチスドイツが、フォン・ブラウンの元で開発した、世界最初の弾道ミサイルです。
当時の技術水準からすれば、何世代も先の、革新的な兵器でした。
現在でも、これを迎撃するのは、決して容易ではありません。
Wikipedia によると、1トンの炸薬を搭載して、射程は300キロ、森の中の秘密基地や、列車から発射され、着弾時の速度はマッハ4で、先端は空力加熱で、真っ赤になっていたそうです。
命中半径は、1-17kmと、かなり悪く思えますが、一旦発射されたら、迎撃手段がないので、標的にされたロンドンやベルギーの市民たちは、恐怖に脅えました。
特に、超音速ですから、命中するまでは、全く音がしないことも、通常の爆撃とは違う恐怖でした。
当日は、全く迎撃手段がないので、特にイギリス空軍は、発射基地を、必死で爆撃しました。(特に、拠点となった、ペーネミュンデ)
総数3,500発が発射され、半数が目標に着弾したと言います。
誘導装置は、これも世界最初の慣性誘導装置で、真空管、ジャイロ、加速度計を使用したののでした。
燃料は、エチルアルコールと液体酸素で、姿勢制御には、燃焼ガスの噴射口に、パドルを着けた単純なものでした。この方式は、日本のステルス戦闘機の研究機であるX-2にも採用されています。
このV2は、戦後、アメリカ、ソ連、イギリスなどに運ばれて、何と1960年代初頭まで、実験用に使用されていました。
やはり、時代の先を行く技術だったのですね。
アメリカとソ連は、V2と、ドイツから連れてきたロケット技術者のおかげで、ロケット、ミサイル開発を急速に推進することができました。
今日の宇宙時代の基礎となった訳です。
特に有名な、フォン・ブラウンは、元々、ドイツの宇宙旅行協会で、観光用のロケットについて検討していたそうです。
現在では、ロケット技術は大きく進展して、弾道ミサイルの命中半径は、90mという、驚異的な精度になっています。
一方、民間の有人ロケットが活躍する時代にもなり、フォン・ブラウンが夢に描いた一般人の宇宙旅行も、直ぐそこまで、来ています。
ロケットは、平和の技術であり続けて欲しいと思います。
グリッペン
私の徒然です。
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