XB-70バルキリー

 米空軍が1955年から開発した戦略爆撃機。
 「バルキリー」は、ギリシャ神話の女神で、戦死者の魂を、オーデインの神殿に運んだと、言われている。

 初飛行は、1964年、デルタ翼、先尾翼、双垂直尾翼で、高速時には、主翼両端が折れ曲がり、縦の安定性を増加している。
 
 胴体は、コンプレッションリフトという、主翼と胴体、及び、エアインテークの下面の楔により、衝撃波の上に機体が乗るような状態で、揚力を稼ぎ、飛躍的に航続距離を伸ばした。

 コックピットの風防は、離着陸では、下方に下がり、視界の確保するが、高速時には、上方に上がり、機首の構造と一体になる。

 機体は、ステンレスのハニカム構造で、エンジンは、GE(ジェネラル・エレクトリック)のYJ93、推力12.8tを、6機、並べたもので、全推力は、76.8tになる。巡航速度、マッハ3.1。

 最大重量は250t、投下型の核爆弾を搭載した。

 1966年、GEのエンジンの宣伝のため、GEのエンジンを搭載した機体の編隊飛行の撮影をした。
 その時、なぜか、F-104戦闘機が、XB-70の垂直尾翼に接触して、XB-70の垂直尾翼は脱落、本機体は墜落した。

 多大な労力で開発された本機だが、ICBMの実用化に目処がついたため、残った1号機は、NASAに移管され、SSTの研究に従事した。

 現在、1号機は、ライトパターソン空軍基地の空軍博物館に展示されており、航空マニアには、その数奇な運命もあって、非常に人気がある。

 彼女は、今、二度と飛ぶことのない空を、見上げている。

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グリッペン

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